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ザ・注文住宅2 始動編 土地・工務店探しの巻

作成日: 2013年7月11日
更新日: (なし)

土地探し

私の場合、家を建てるきっかけは土地との遭遇でした。 奥さんは「家が欲しい」と主張していましたが、モデルハウスを見に行ったり不動産屋を回ったりといった具体的な行動はただの一度もしていませんでした。 夫婦共に漠然と思っていただけです。

そんなある時、家の近くの駐車場が更地になりました。 更地になった後、不動産屋のノボリが立てかけられました。 「売り土地」ではなくて、不動産屋の名前と電話番号だけが書かれたノボリです。 何を思ったのか奥さんがその不動産屋の電話番号に電話をかけてみると言い出しました。 特に止める理由もなく、何より私は特に関心もなくて「あっそ」という感じだったのを憶えています。

奥さんが不動産屋に電話すると、「そろそろ営業活動を始めようかと考えていたところでした。よろしかったらご来店頂けませんか?」という話になりました。 それが家を建てる始まりで、土地探しの終わりでもありました。 結局、そのままその土地を購入することになったので、土地探しらしいことはせずに終わってしまいました。 このようなケースは非主流だと思いますが、ある一例としてご参考ください。

  • 家の近所を良く観察せよ
  • ノボリは売り主からのメッセージ

現住所の近くで土地を探すなら、売りに出そうな土地がないか良く観察することです。 私は家の周りをランニングするのですが、意識して見ると少なからず土地が動いていることが分かります。 もちろん、半年から1年といった期間での話になるので、時間にある程度のゆとりがあるなら一つの探し方になると思います。 何より近所の土地なら勝手知ったるで生活環境を変えずに済みますし、引越しも楽です。

ノボリだけではなくて、張り紙や看板も売り主からの情報源になります。 不動産屋をはじめ土地の売り主はいきなり雑誌や仲介専門の不動産屋に「売ります情報」を流すことはしないそうです。 マージンを取られるからです。 まずは小さく始めるのが基本なのだそうです。 でも、まずやるのが売ろうとする土地にノボリや張り紙をすることです。 これを見逃さなければ早い段階で売り主と話をすることができます。

あと、フランチャイズ店ではない地場の不動産屋に希望の土地があれば声を掛けて貰うようにお願いしておくのも良いでしょう。 戸建てに引っ越してから地場の不動産屋による「売り土地・売り家募集チラシ」がほぼ毎日ポストへ入れられています。 地場の不動産屋は地域の情報を持っているはずなので、これに頼るのも一つの方法です。

建築条件と準防火地域

私が購入した土地には建築条件が付いていませんでした。 一方、準防火地域に指定されていたので、木造3階建てにする場合は準耐火建築物として造る必要がありました。

建築条件は土地の売り主が建物を建てる時に付ける私的な条件です。 大和や積水などのハウスメーカー系列の不動産屋なら親会社のハウスメーカーの建物を建ててくださいや、ハウスメーカー系列でなくても不動産屋が指定した工務店を使ってくださいといった条件です。 このような条件を付けることで、不動産屋はグループ企業の売り上げに貢献したり、紹介手数料を稼いだりするのでしょう。 買い主としては条件がない方が選択肢が増えるので、建築条件はないに越したことはありません。

防火・準防火地域の指定は地方自治体が行うもので、神戸でも住宅密集地には指定がされています。 残念ながら、どこが指定されているかは市役所に行かないと分かりません。 都市計画総局の窓口に都市計画情報案内システム(ゆーまっぷ)という検索システムが置いてあり、そのマシンで指定地域が図示された地図を見られるそうです。

準防火地域では木造でも2階建てと3階建てでは基準(規制)が違っていて、2階建てなら防火構造、3階建てなら準耐火建築物にすることが要求されます。 防火構造と準耐火建築物の違いは延焼防止と延焼防止+内部耐火の違いです。 延焼防止は外壁に燃えにくい素材を使って隣家からの火災に耐えることが求められます。 内部耐火は自身内部の火災に耐えることで、具体的には内壁や柱、天井などに石膏ボードを貼って中身が燃え難くすることが求められます。 いざ火事になると2階建てより3階建ての方が断然ヤバイよねというのが両者に差を付けている発想なのだと思います。

防火構造と準耐火建築物では材料費に差が出てきます。 準耐火建築物にするには認められた工法に従い、防火構造よりも多くの材料を使って仕様を満たさなければなりません。 防火構造では柱に耐火性能は求められませんが、準耐火建築物では求められるので石膏ボードを貼る必要があるという具合です。 石膏ボードが余計に必要な分、材料費が高くなります。 ただ、火災保険は少しだけ安くなります。 大抵の火災保険には「耐火性能割引」が設定されているので、準耐火建築物だと1割ほど保険料が安くなるはずです。

工務店探し

今回の締めは工務店探しです。 注文住宅の場合、工務店の良し悪しが大きく影響します。 大きく影響するどころか、ほぼ工務店次第、いやいや全ては工務店にかかっていると言っても過言ではありません。 従って、工務店探しはとても重要です。

工務店にも色々なタイプがあります。 ハウスメーカー系やフランチャイズ系、設計事務所、地場の工務店などなどです。 それぞれの詳しくは他のサイトに譲るとして、私が選んだ地場の工務店について説明します。 私が地場の工務店を選んだのは、やはり建築費が一番安いという理由からです。 予算上、ハウスメーカー系は無理、おしゃれな設計事務所も無理だろうと土地の不動産屋からアドバイスされていました。 選択肢として地場の工務店しかなかったので、神戸の工務店を探すことになりました。

工務店はGoogleで探しました。 Googleで「神戸 注文住宅 おしゃれ」、「神戸 注文住宅 デザイン」などで検索し、建築例の画像を見て回るというエロ動画サイトを探すかのようなやり方です。 最終的に3つの工務店を候補に挙げ、それぞれにネットから資料請求をしました。 結果的に2つ目に話をした工務店と建築契約を結ぶことになりました。 この工務店との出会いはとても恵まれていたと思います。 人柄、デザイン力、提案力、設計力、施工技術力、柔軟性(融通が利く)、信頼性、なにより納得の価格と全ての点が大満足でした。 他の工務店を知らないので比較はできませんが、建て主があらゆる点に満足する工務店というのはなかなかないはずです。

私のケースとは違いますが、良い地場の工務店を選ぶ方法を3つリストします。 後から振り返ってみて、「そうしておけば大きな間違いはないだろう」と考えた方法です。

  • 目を付けた工務店の現地見学会に参加する。
  • 友人・知人に紹介して貰う。
  • 気に入った家に飛び込みで教えて貰う。

1つ目はスタンダードなやり方で、実物を見て確認するという方法です。 今日日は小さな工務店でも造った建物を見込み客に見せる現地見学会をやっています。 建て主に引き渡す前に見学して貰うというもので、現物を見れば工務店のセンスや施工力が分かりますし、見ている方の目も肥えてくるという副次的効果も期待できます。 ただし、時間と手間がかかるのが難点です。 見学会は四六時中やっていませんし、行ったところでその工務店を気に入るとも限りません。 良い工務店に出会うまで数をこなさないといけないので、どうしても時間的な余裕が必要になってきます。

2つ目も昔からあるやり方です。 建物が欠陥住宅なんてことになったら大変です。 ちゃんとした家を建てた人から紹介して貰った工務店なら、ちゃんとしている可能性が高いです。 その代わり、紹介して貰うにはそれなりの見込みがないと後から互いに気を遣うことになるので注意が必要です。

最後の3つ目は「これは!」という家を見つけたら、ピンポンとチャイムを押してどこの工務店で建てたのか聞いてみるというものです。 唐突な方法ですが、聞かれた方は嫌な気分にはならないでしょうから快く応じてくれるはずです。 見ず知らずの人に「あなたの家は格好良い」と言われて気分を害す人は少ないでしょう。

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2013年7月11日 新規作成