NEMO Obi 3Pの使用感(自幕)
作成日: 2013年2月10日
更新日: (なし)
Obi 3Pのポジション
個人輸入で購入したNEMO Obi 3Pの使用感です。 自幕は「自宅で幕営」の略なので自爆はしません。
まず、NEMOテントのラインナップの中でObiが置かれているポジションについてです。 登山アイテムはどのメーカーでもラインナップにある各製品の位置付けというか違いが非常に分かり難いです。 私はIT業界で働いていますが、IT業界の製品はソフトウェアもハードウェアもメーカーのWebサイトに各製品のポジションや違いが分かり易く整理されているのが普通です。
NEMOのテントも製品間の位置付けは良く分かりませんでした。 Obiも何を狙ったテントなのか最後まで明確にならず、最終的には大きさと重量のスペックから登山用軽量テントとして使えると判断して購入を決心しました。
結果的には正解でした。 左の画像はObi 3Pに付いていたカードをスキャンしたものです。 このチャートを製品サイトに出さんかい!と思います(出していたらゴメンナサイ)。
ObiはFASTPACKINGとBACKPACKINGの間に位置付けられているので、BACKPACKINGの中でも軽量の部類に入る製品ということなのでしょう。
同じObiの名前を冠した製品にObi Eliteがあります。 名前が格好良いですね。 アメリカの歩兵に例えると、普通のObiがレンジャーならObi Eliteがデルタ・フォースというところでしょうか。 Obi Eliteは名前が格好良くて重量もObiより軽いのですが、当然ながらObiの上位製品になるので価格も高いです。
使用感(自幕)
個人輸入で送られてきたままの状態です。 このようなシンプルな形の梱包でした。 一番左がObi 3Pの本体、真ん中がFootprint、一番右がPawprintです。 Footprintはテントと地面の間に敷くシートでPawprintはテントの中に敷くシート(中敷)です。 FootprintとPawprintはオプションになっていて別売りです。
本体のビニールを破って取り出したところです。 テント本体の袋とポールの袋は合体できるようになっています。 冒頭のチャートはこの画像で見えているカードの中の1枚に書かれていたものです。 あと、白赤のカードはステッカー(シール)になっていました。
中身を袋から取り出したところです。 Obi 3Pの基本部品はこれと画像には写っていないペグだけです(FootprintとPawprintは別です)。 ポールはDAC社の製品が使われています。 ポールの一部は最初から曲がっているので少しだけ設営し易くなっています。
本体の袋に設営ガイドが付いています。 この手のテントでは普通に付いているのかも知れませんが、これは便利です。 超ざっくりであるものの、これだけを見て組み立てられました。 ただ、ここには特に何も書かれていないフライシートの取り付けは四苦八苦したので後述します。
本体のシートを敷いたところです。 大きさが分かり易いようにと思い、モデルを子供のおもちゃ箱の中からかっさらってきました。 6〜7頭身になったキティちゃんはとても不気味です。
見ての通りObi 3Pという商品名ながらゆったり寝転がれるのは2人までです。 大の大人が3人が寝転がるとかなり窮屈になるはずです。 「3人用テントは2人用と思え!」というセオリーに間違いはありませんでした。
本体にポールを取り付けました。 このテントは前後非対称なので、どちら向きが正しいのかを見極めるのが面倒でした。 この時も本体の形とポールの形を見比べながらの設営でした。 今思えば、シールか何かを貼って取り付け位置を分かり易くしておけば良かったです。
ポールに本体のクリップを取り付けたところです。 この作業はテントがテントらしく形になっていくのでワクワクして楽しいです。 NEMOのテントはテンションが強くて設営し難いと言われます。 確かにポールと本体の四隅の取り付けはテンションが強くてイラっとしました。 しかし、クリップとポールの取り付けはイライラするほどではありませんでした。
実はこの真ん中に入っているポールが1本だけポツンと余ってしまい、どう使ったら良いのか分かりませんでした。 5分ほどで判明しましたが、こういうこともあるので買ったテントは一度でも良いので自幕して要点を確認しておくべきです。 ただ、家の中でこんなことをしているのを奥さんにバレたらそれこそ自爆なので、様子を窺ってこっそりやる必要があります。 (スリルを味わいながら)パッと設営してパッと畳む練習にもなります。
クリップのアップです。 クリップは少し角度が付いていて、取り付け・取り外しがし易いようになっています。 DAC社のロゴが付いていますが、NEMOのサイトでは「エルゴノミックツイストクリップ」という名前で自社技術のように紹介されていました。 従来のフックよりも強い強度があるとも書いてあったのは心強いです。
フライシートを取り付けました。 これは失敗例です。 ヌルツル(ヌルっとツルツル)の生地の方が表面かと思ったのですが、逆でした。 良く見ればポールと接する箇所に固定用のベルクロが付いています。 裏返しになってこのベルクロとポールを固定するのが正しい取り付け方でした。
フライシートの取り付けも前後非対称の形のために四苦八苦しました。 どちらが裏表か分からなかったのと、前後がどちらなのかが分かりませんでした。 結果、正しい形に落ち着くまで3回張り替えることになりました。
3回目で分かったのがこのフックです。 前後がどちらなのか分かるように片方だけフックが付いています。 これを先に止めれば前後を間違えないという仕組みです。
それと、「ふ〜ん」と思ったのがこのフックに仕込まれている点線で、蛍光素材になっていました。 他にも数ヵ所この蛍光素材が仕込まれていて、夜間でも設営し易いような工夫がされていました。
フライシートを正しく取り付けたところです。 右側がダボついているのはここが前室になっていて、ここはペグを使ってテンションを作る仕組みになっているからです。 言うまでもありませんが、私はテントのために家のフローリングへペグを打ち込むほど気合いは入っていません。
中から見た様子です。 やっぱりNEMOのロゴは外から見た場合に正しく見えるのが正解でした。 正解の場合は中から見るとNEMOの「N」が反対に見えます。 フライシートを反対に張ってしまった時の話ですが、NEMOは先鋭的なメーカーなので逆もあり得る、テント内で寝ている人にNEMOのロゴを刷り込もうという魂胆なのだ、うん、そうに違いないと決めつけていました。
テント本体に付いていたタグです。 日本語表記のタグも付いていました。 NEMOの日本代理店はイワタニ・プリムスです。 製品としては日本に持ってきてからローカライズしているのではなくて、製造の段階で日本対応されているようです。 ということは日本で買ったものも個人輸入でアメリカ本国のものを買ったものも中身は同じと考えて良いでしょう。
オプション(別売り)のFootprintとPawprintを開けてみました。 テントの下に敷くFootprintは安物のナイロン製エコバッグのような素材でした。 テントの中に敷くPawprintはしっとりした素材であるものの、触り心地は普通でクッション性は皆無でした。 登山用テントに必要以上の快適さを求めるのは軟弱というところでしょう。 なお、こちらの2枚にもおまけのステッカーが付いていました。
付属のペグです。 アルミ合金製で軽いです。 全本に「NEMO Equipment」の刻印が入っているところが高級感上々でよろしいです。 前室のテンションを作る紐も付いています。
全てを畳み直して収納したところです。 本体とフライシートは一発で収まりました。 広げた時に畳み方を憶えていた訳ではないので、適当に畳んでも大丈夫な程度の遊びはあるようです。 一方、ポールは一発では収まりませんでした。 こちらについては後述します。
気になったところ
自幕してみて気になったところが2点あります。 1つ目はポールやフライシートを固定する本体四隅のアタッチメントとフライシートのアタッチメントの強度です。 アタッチメントは樹脂製で、着脱は押したり捻ったりして行う形になっています。 それなりの強度はあると思いますが、いつかポキっと折れたり欠けたりしないか心配になりました。 というのも、新品だからかも知れませんが、結構な力を入れないと着脱できないので疲労がたまりそうです。
最悪の情景は後輩が設営を手伝ってくれているところでポキっとやってしまうものです。 先輩風を吹かせて「お〜、やっちまったなぁ〜。まぁ、ええけどなぁ〜」としか言えないのがこの情景の辛いところです。
2つ目はポールを入れる袋の長さです。 これは気になるというよりおかしい(面白いという意味ではない)と思っています。 袋の長さがジャスト・サイズになっていて、ポールをキッチリと長さを揃えて畳まないと収まりません。 あと10cmほど長ければポールを乱暴に畳んでも収納できたのにという具合です。
ポールが畳み易ければ問題はないのですが、テントのポールはじゃじゃ馬ならぬじゃじゃポールなので勝手に反り返ってくれちゃったり連結してくれちゃったりして鬱陶しいものです。 ほんと、あと10cmだけ長ければ撤収が楽チンだったろうになと残念に思う点でした。
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2013年2月10日 | 新規作成 |