トップページコラム > > ショート・ゲイター祭り





ショート・ゲイター祭り

作成日: 2013年9月22日
更新日: 2013年10月14日

登山用ゲイターの再考

スパッツ、またの名をゲイター、ゲイターはゲイターでも丈の短いショート・ゲイターが欲しくなりました。 登山用のゲイターは丈が長いものが多いです。 その丈が長いロング・ゲイターを装着した自分の姿を客観的に見たことがあるでしょうか? ある時、とても滑稽な格好であることに気が付きました。 懐かしのルーズ・ソックスかのようなロング・ゲイターをおっさんが履いて似合うはずがありません。

夏山に限れば、機能的にもゲイターに膝下までの丈は必要ありません。 石が登山靴に入るのを防いだり、レインウェアの下に捲いて雨水が登山靴に入るのを防いだりするにはふくらはぎの半ばまでの丈があれば充分です。 膝下までの丈が必要な機能的な理由が見つからない以上、ロング・ゲイターを脱ぎ捨てたくなったのでした。

ショート・ゲイターを探すにあたり、注目したのは次の2点です。

  • 防水仕様
  • ベルクロを不使用

結論としては、この2点を満たすショート・ゲイターは見つかりませんでした。 どのメーカーのゲイターでもたいてい防水仕様になっていますが、開閉部の素材にはまずベルクロを使っています。 ベルクロはウェアやタイツなどの柔らかいものに引っかかり、引っかけた先の素材を痛めるので嫌いです。 ロング・ゲイターでは開口部に止水ジッパーを使ったものが少なからずあるものの、ショート・ゲイターでは皆無でした。

一同整列

整列したショート・ゲイターの画像

ネット・ショッピングの功罪は本題ではないので割愛します。 3つ目に買ったショート・ゲイターでようやく納得できました。

画像は右からISUKA ウェザ−テック ショ−トスパッツ、MOUNTAIN EQUIPMENT Scree Gaiter、macpac Cascade Short Gaiter、一番左は以前から持っていた長さ比較用のThe North Face HYVENT GAITER MIDです。

比較用のThe North Face HYVENT GAITER MIDは膝下まであるロング・ゲイターです。 求めていたのは正にこのゲイターのショート版です。 防水仕様で開口部は止水ジッパーになっていてベルクロは使われていません。 しかし残念なことにMIDはあってもSHORTはないのです。

ISUKA ウェザ−テック ショ−トスパッツ

ISUKA ウェザ−テック ショ−トスパッツの画像

それでは購入した3つを簡単に紹介していきます。 1番手はISUKA ウェザ−テック ショ−トスパッツです。 定価が2,835円のところ、Amazon.co.jpで2,162円でした。

先頭打者として見事な三振でした。 まず、ダサいです。 ただ、それはISUKAの製品紹介ページの画像を見た段階で分かっていたのでノー・カウントとします。 1スイング目は裾がやたらと窄まっていて窮屈なところです。 2スイング目はジッパーが通常のジッパーで雨水が浸みてくるところです。 3スイング目は靴底に這わせるゴムを留める金具がやたらとキツイく装着に手間取るところです。

ISUKA ウェザ−テック ショ−トスパッツのアップ画像

画像の真ん中にあるのがゴムを留める金具です。 シンプルに引っかけるタイプになっています。 この隙間が狭くてゴムを簡単に脱着できません。 ペンチで隙間を広くしてやれば調整はできましたが、それでも2ストライクなので常用アイテムとして採用できませんでした。

素材はISUKAの製品でよく使われているウェザ−テックです。 薄くてゴワつかず良い感じです。 ですが、機能面とデザイン面がどうしようもなく残念なレベルです。 仕方なくお蔵入りとなりました。

MOUNTAIN EQUIPMENT Scree Gaiter

MOUNTAIN EQUIPMENT Scree Gaiterの画像

2番手はMOUNTAIN EQUIPMENT Scree Gaiterです。 山渓オンラインショップ楽天市場店で5,250円でした。

今度はデッド・ボールです。 タンカーで運んで欲しくなりました。 ゲイター上部の外周が26cmしかなくてボタンを閉じられませんでした。 私のふくらはぎが太いのか、造りが窮屈なのか、恐らくその両方により装着不能です。 足が太い人は注意が必要です。

MOUNTAIN EQUIPMENT Scree Gaiterのアップ画像

このゲイターも開口部はボタンとベルクロという仕様です。 それと、靴底に這わすベルトが弱々しいナイロンの紐になっています。 岩場やガレ場で履き続けると擦り切れてしまいそうなものなので、そもそもこのゲイターは比較的整備された山道を走るトレイル・ランニング用なんだろうと思います。 買ってから気が付いてしまいました。 見た目のデザインは良かっただけに残念です。 こちらもお蔵入りとなりました。

macpac Cascade Short Gaiter

macpac Cascade Short Gaiterの画像

3番手はmacpac Cascade Short Gaiterです。 GOLDWIN WEB STOREで6,300円でした。

3つ目にしてやっとヒットが出ました。 ツー・ベースくらいの当たりでしょうか。 常用アイテムとして一軍登録することにしました。 2番手のデッド・ボールが結構痛かったので、3番手のこのmacpacのゲイターの購入に際しては少し慎重になりました。 GOLDWIN WEB STOREに「外周サイズとフィット感を教えてください」と事前に問い合わせをしました。 問い合わせはGOLDWIN WEB STOREのお問い合わせページに記載されているメール・アドレスにメールしました。

GOLDWIN WEB STOREからの回答メール
XXX 様

GOLDWIN WEB STORE をご利用頂き誠にありがとうございます。
商品詳細確認にお時間を頂戴しており申し訳ございませんでした。

お問い合わせいただきました商品
■商品名:カスケードショートゲイター
 商品番号:MN91303

【サイズ:STD】上部外周寸法/約48cm
【サイズ:LNG】上部外周寸法/約52cm

※STDサイズを一番きつく締めて筒周りが40pでございます。

※実際の商品を計測した数値でのご案内となります。
 多少の誤差が生じる可能性もございますこと、ご了承の程お願いいたします。

尚、こちらの商品のサイズ選びにつきましては、身長や靴のサイズではなく、ご使用の用途やフィールドに合わせてお選び頂く商品となっております。

お好みで長めの物を着用する方もいらっしゃいますので、「フロント長」も併せてご参考の上ご検討くださいませ。

フロント長さ:STD/24cm、LNG/26cm

※着用しました際の長さの目安といたしましては、地面から【ゲイター長プラス5cm程】とお考えいただけますと幸いです。

フィット感につきましても、丈の長さと上記にご案内しました外周寸法にて、装着箇所を目安にご確認いただけますと幸いでございます。

その他ご不明な点等ございましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。
今後ともGOLDWIN WEB STOREをよろしくお願いいたします。

GOLDWIN WEBSTOR

回答は素晴らしく丁寧な内容でした。 サイズに関係なく購入してしまいそうになります。 ただ、願わくば最初からこの4分の1の情報で良いので、カタログなり商品紹介ページに書いておいて欲しいものです。

macpac Cascade Short Gaiterのアップ画像

使用感ですが、素材がかなりゴワゴワしているので巻き心地は良くありません。 反面、頑丈な素材なのでストックの先に付いているガリガリが当たった程度では傷すらつきません。

見た目のデザインは好きです。 画像の色味では紺が入っているように見えますが、ほぼ真っ黒です。 マイナス面を挙げると、上部を縛るベルトが不必要に長くてブラブラするのと、靴底に這わせる金属製ワイヤーの長さを調節できないことです。

富士山で1回使ったら画像のようになりました。 富士山の砂利は表面の粗い火山岩なのでダメージを受けやすかったようです。 この金属ワイヤーは交換パーツとして315円で手に入るのが嬉しいところです。

NORRONA trollveggen dri3 Short Gaiters

NORRONA trollveggen dri3 Short Gaitersの製品紹介サイトの画像

3度あることは4度もあり得ます。 幸か不幸か(客観的に見れば不幸でしょう)、なんか良さそうなものを見つけてしまったのです。

まさかの4番手はNORRONA trollveggen dri3 Short Gaitersです。 日本代理店の定価は12,600円になっていましたが、NORRONA本家のWEB SHOPで10,000円でした。

日本で売り出しが始まったばかりのNORRONAのシュート・ゲイターです。 ネットを探してもこのゲイターの情報は見つかりませんでした。 しかし、メーカーの製品紹介ページを見た瞬間、「これが求めていたショート・ゲイターだ!」と直感したのでした。 こういう時は直感に従うことにしています。 即ち、今回のケースでは既に購入した3本のショート・ゲイターのことを一旦忘却し、新発見したショート・ゲイターにワクワクするということです。

NORRONA trollveggen dri3 Short Gaitersの購入時の画像

trollveggen dri3 Short GaitersはNORRONA本家のWEB STOREで購入しました。 NORRONAの日本代理店はフルマークスという会社ですが、そのフルマークスのWebショップでは品切れ状態でした。

日本に日本法人や代理店を置いている場合、ビジネスの都合から本家は日本に対して直販しないのが普通で、配送先に日本を指定できません。 珍しいことにNORRONAのWEB STOREは配送先に日本を指定できました。 しかも、価格は10,000円と日本代理店の定価より安く、更にアジア向けのWorld wide shippingは20ユーロかかると書いてあったのにかかりませんでした。

NORRONA本家のWEB STOREの注文は特段難しくありませんでした。 変わったことと言えば、言語表示が英語の他にノルウェー語を選べるくらいです。 ただ、何を焦ったのか配送先の住所指定を間違えまくっていました。 注文確認メールを見ると、県名は「KYOGO」になっていて、市名も入力し忘れていました。 配送事故が起きそうな予感がしたので、NORRONAの「WEB SHOPの問い合わせ先」と書かれていたメール・アドレスに連絡しておくことにしました。

NORRONAへの配送先住所訂正依頼メール
To Norrona Webshop customer service

There is asking for my order.
My order number is the following.

Order no. XXX
Transaction no. XXX

It made a mistake in the address and I want to correct it.
My correct address is the following.

XXX XXX XXX
XXX-XXX(ZIP code)

Please confirm the above.
Thank you.

(名前)
(メール・アドレス)


NORRONAからの返信メール
XXX!

Thanks for your email!
I have now made the changes.

Have a nice day!

Med vennlig hilsen/Best regards

(担当者名)
eCommerce Responsible

Office: XXX
Fax: XXX
E-mail: XXX

Norrona Sport AS
Nye Vakas vei 20
N-1395 Hvalstad

返信は1日後にありました。 「!」の多用から見て察するに、テンションの高い担当者だったようです。 バイキングのDNAが関係しているのかも知れません。 憶測が膨らみます。

NORRONA trollveggen dri3 Short Gaitersの配達時の画像

「発送しました。トラッキング番号は〜」のメールが送られてこなかったので少し心配しましたが、品物は注文から1週間で届きました。 輸送業者はUPSで、日本国内はヤマト運輸の扱いで我が家に届きました。 付いていた輸入許可書・申告書では申告額が6,000円、関税0円となっていました。

NORRONA trollveggen dri3 Short Gaitersの画像1

サイズはLサイズを選びました。 本家NORONAのレビュー欄に「靴のサイズが28cmならLを選んでおけ」という遣り取りがあったので、それを参考に決めました。 海外のサイトではメーカーと購入者のサイズ感のQ&Aがレビュー欄で行われていることがよくあります。

NORRONA trollveggen dri3 Short Gaitersの画像2

届いたNORRONAのシュート・ゲイターです。 色遣いが良い感じです。 素材の触り心地も良くて、macpackのCascade Short Gaiterのようにゴワついていません。 表面も編みの入ったナイロン地が使われているので、木の枝でこする程度なら大丈夫そうです。

NORRONA trollveggen dri3 Short Gaitersの画像3

さて、ここで問題発生です。 右の画像はmacpack Cascade Short GaiterとNORRONA trollveggen dri3 Short Gaitersを比べたものです。 NORRONAのショート・ゲイターはショート・ゲイターを名乗ってるくせに、あんまりショートじゃなかったのです! 直感に従ったら、またしてもデッド・ボールを喰らわされてしまいました。

macpack Cascade Short GaiterのLサイズのフロントの長さは26cmです。 The North Face HYVENT GAITER MIDのLサイズは32cmです。 そして、4番手のNORRONA trollveggen dri3 Short GaitersのLサイズは30cmでした。 数センチの差ですが、NORRONAのショート・ゲイターの装着感はThe North FaceのHYVENT GAITER MIDと同じで、ショート・ゲイターとは言い難い丈です。 言い換えると、買う必要のないゲイターを買ってしまったのでした。

NORRONA trollveggen dri3 Short Gaitersのアップ画像

ジッパーは止水ジッパーではなくて通常のジッパーです。 幅の狭いベルクロが付いていて、それが開口部を覆うことで雨水の浸入を防ぐ造りになっています。 靴底に這わせる青いベルトは繊維が編み込まれているので、強度は充分ありそうです。 あと、上部の調節紐の造りが良くできていて、簡単に締め具合を調整できるようになっています。

ミドル丈のゲイダーとしては普通だと思います。 The North Face HYVENT GAITER MIDはこのNORRONAのショート・ゲイターの半額程度で手に入るので、NORRONAでないとダメという人以外はThe North FaceのHYVENT GAITER MIDで良いでしょう。[2013年10月14日 追記]

更新履歴

更新日 更新内容
2013年9月22日 新規作成
2013年10月14日 NORRONA trollveggen dri3 Short Gaitersを追加