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Debugging Tools for Windowsの入手と導入

作成日: 2013年1月26日
更新日: (なし)

はじめに

Windowsサーバーのシステム・ダンプ解析をやることになりました。 作業で必要なMicrosoft様のDebugging Tools for Windows(WinDbg)の入手と導入のメモです。 WinDbgはWindows 7 64bitにスタンドアローンのツールとして導入し、Windows Server 2003のシステム・ダンプを解析できる構成を目標としています。 システム・ダンプ解析のツールとしてWinDbgが欲しいだけなので、パソコンにはWindows Driver KitやWindows SDKをインストールしたくありません。 断固拒否です。

例によって、Microsoft、もしくはMSDNのサイトのページがリンク切れになり、あるいは勝手にどこかへリダイレクトされるようになっても、当局は一切関知しないからそのつもりで。成功を祈る。

Windows SDKとWinDbgの関係

WinDbgの新しいバージョンはWindows SDKに含まれた形で提供されています。 以前は単体で提供されていたようですが、現在はWindows SDKごとダウンロードする形になっています。

ダウンロードはMicrosoftのWindows 用デバッグ ツールのダウンロードとインストールのページから行えます。 ページはWindows 8バージョンと書かれたリンクが主になっていますが、Windows 7バージョンのものにもリンクがあります。 Windows 7バージョンやWindows 8バージョンというのは、具体的にはダウンロード先のWinDbgを同梱したWindows SDKのバージョンの違いです。 Windows 8のリリース・タイミングと合ったWindows SDKのバージョンが「Windows 8バージョン」ということらしいです。

注意点として、Windows 8バージョンのWindows SDKに同梱されているWinDbgをWindows 7に導入することはできますが、そのWinDbgで解析できるシステム・ダンプは新しいWindowsサーバーとなります。 WinDbgを動かすパソコンのWindowsのバージョンと解析対象のWindowsのバージョンの組み合わせから適切なWinDbgのバージョンを選択する必要があります。

Windows SDKのバージョンと同梱されるWinDbgバージョンの対応表です。 リリース・ノートの記載や実際に導入して確認したものから整理しています。 WinDbgのバージョニングが変わったのか、最新版のWinDbgのバージョンの方が若くなっています。 あと、Windows SDK 6.1にはWinDbgが含まれていないので、Windows Server 2003より前のシステム・ダンプを解析するにはWinDbgの古いバージョンを単体でウンロードする必要があります(ダウンロード・ページは後述)。

名称 Windows SDKバージョン WinDbgバージョン 解析可能なWindowsバージョン
Windows SDK for Windows 8 8 6.2.9200.16384 Windows 8
Windows Server 2012
Windows 7
Windows Server 2008 R2
Windows Vista
Windows Server 2008
Microsoft Windows SDK for Windows 7 and .NET Framework 4 7.1 6.12.2.633 Windows 7
Windows Server 2008 R2
Windows Vista
Windows Server 2008
Windows XP
Windows Server 2003
Windows SDK for Windows Server 2008 and .NET Framework 3.5 6.1 (同梱なし) (N/A)

「解析可能なWindowsバージョン」にWindows 2003 R2がありませんが、時期的なタイミングから見て解析可能と考えて良いでしょう。 MicrosoftはいつもWindows Server 2003とWindows Server 2003 R2の扱いが不明瞭なので困ります。 実際に試した環境では、Windows 7(64bit)にWinDbg 6.12.2.633の64bit版(x64)を導入し、Windows Server 2003(32bit)のシステム・ダンプを解析できました。

入手

Windows SDKダウンロード・ページのタイトルの画像

目標の構成はWindows 7 64bitのパソコンでWindows Server 2003のシステム・ダンプを解析できというものなので、ダウンロードするWindows SDKは「Microsoft Windows SDK for Windows 7 and .NET Framework 4」となります。 また、WinDbgには32bit用(x86)、64bit用(x64)、Itanium用(IA64)があります。 パソコンがWindows 7 64bitなのでWinDbgは64bit用(x64)をダウンロードしてインストールしますが、64bit用(x64)のWinDbgでも32bit環境で出力されたシステム・ダンプを解析可能です。

MicrosoftのWindows 用デバッグ ツールのダウンロードとインストールのページの「Windows 用デバッグ ツールの Windows 7 バージョンをインストールする」にある「Microsoft Windows SDK for Windows 7のダウンロード(英語)」のリンクをクリックします。

Windows SDKのダウンロード・ページのメニューの画像

ダウンロード・ページには3つのISOイメージ・ファイルがあります。 上から「GRMSDK_EN_DVD.iso」が32bit用(x86)、「GRMSDKAIA_EN_DVD.iso」がItanium用(IA64)、「GRMSDKX_EN_DVD.iso」が64bit用(x64)です。

実はどのISOイメージ・ファイルにもx86/x64/IA64のWinDbgが同梱されているので、WinDbgをスタンドアローンで導入するだけならどれを選んでも同じです。 そういうことではありますが、ここではお利口に64bit用(x64)の「GRMSDKX_EN_DVD.iso」をダウンロードします。

導入

WinDbgのインストール画像1

ダウンロードしたISOイメージ・ファイルからWinDbgを単品で導入します(Windows SDKは導入しません)。

インストール時の注意点は「setup.exe」をクリックしてはいけないことです。 これはWindows SDKのWindows 7バージョンでもWindows 8バージョンでも同じです。 WinDbgだけを導入したい場合はWindows SDKのインストーラーが起動するsetup.exeは無視します。

早る気持ちを抑えてクリックしないといけないのは「Setup」フォルダーです。 このフォルダーの下にWinDbgを含むWindows SDKに同梱されているツールのインストーラーが納められています。

WinDbgのインストール画像2

「Setup」フォルダーの下に「WinSDKDebuggingTools」フォルダー、「WinSDKDebuggingTools_amd64」フォルダー、「WinSDKDebuggingTools_ia64」フォルダーがあります。

これらのフォルダー内にそれぞれ32bit用(x86)、64bit用(x64)、Itanium用(IA64)のWinDbgのインストーラーがあります。

WinDbgはWindows 7 64bitにインストールするので、「WinSDKDebuggingTools_amd64」フォルダーを開きます。

WinDbgのインストール画像3

「WinSDKDebuggingTools_amd64」フォルダーを開くと「dbg_amd64.msi」というファイルがあります。 これがWinDbgのインストーラーなので、ダブル・クリックしてインストールを開始します。

ちなみに、Windows 8バージョンのWindows SDKでもやり方はだいたい同じです。 私が試して少し違っていたのがWinDbgのインストーラーのファイル名が「X64 Debuggers And Tools-x64_en-us.msi」(x64の場合)となっている点と、インストーラーをダブル・クリックしてもインストール・ウィザードが表示されない点です。 ウィザードが表示されず「?」となるのですが、WinDbgのインストールは裏で行われていてスタート・メニューにWinDbgの項目が追加されました。

WinDbgのインストール画像4

「dbg_amd64.msi」をダブル・クリックして起動したWinDbgのインストール・ウィザードです。 後はウィザードに従って導入していきます。

「dumpchk.exe」などの関連ツールはウィザードの中で導入する・しないを選択できます。 他には特に引っかかるところもないので説明は割愛します。

インストールが終わるとスタート・メニューに「Debugging Tools for Windows (X64)」という項目が追加されます。 余談ですが、ここの「X64」という記述は異論ないものの、インストーラーに付けられていた「amd64」という接尾語は理解に苦しみます。 どっちかにせんかい!

WinDbgの起動時の画像

スタート・メニューの「WinDbg」をクリックしたところです。 GUIのWinDbgの画面が起動してきます。

これでWinDbgの導入はミッション・コンプリートです。 導入自体は何てことはないのですが、インストーラーを起動するまでの情報判別には手こずりました。

それにリリース・ノートの説明が中途半端なのと、狂ったようにリンク先を新しいバージョンのページへ飛ばすようになっていることにイライラしました。 Microsoft様はやっぱり異常です。

古いバージョンのWinDbgの入手先

古いバージョンのWinDbgはMSDN Subscriptionsのサイトにありました。 かなり古いバージョンのものもあるので、Windows 2000などのシステム・ダンプ解析を行うなら次の場所からダウンロードすれば良いでしょう。

更新履歴

更新日 更新内容
2013年1月26日 新規作成