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西明石・東京間の新幹線往復乗車券購入方法

作成日: 2012年11月23日
更新日: (なし)

新神戸〜東京往復時のお得な買い方

JRのロゴの画像

新幹線の西明石〜東京間の往復乗車券を「自動券売機」で購入する方法の紹介です。 新幹線で新神戸駅と東京駅を往復する場合、乗車券は新神戸〜東京間で購入するよりも西明石〜東京間の往復で購入する方が安くなることは良く知られています。

通常の乗車券なら往復で18,700円のところ、往復割引乗車券だと1割引きの16,820円になります。 1,880円安くなるので駅弁代くらいにはなります。

新神戸駅の窓口で切符を買えば駅員さんはこちらが何も言わなくても「西明石からの往復の方がお得になりますので」と一言申し添えてそうしてくれます。 「なんで西明石?」といった理由や細かいことは他で解説されているので割愛します。

問題は「往復割引乗車券は窓口に並ばないと買えないのか?」ということです。 冒頭に書いた通り、自動券売機でも買えます。 普通に考えた流れで操作をすると何故か「窓口の係員を呼べ」となって終了してしまうのですが、コツさえ掴めば大丈夫です。

自動券売機使用の心得

手順の前に、自動券売機で往復割引乗車券を購入する場合の心得を説明します。 この心得を知っておけば実際の購入時に焦らず進むことができるでしょう。

  • 操作はあくまで西明石から乗車する形で行う。
  • 購入画面では最後の最後まで「往復割引」の文字が出てこないがビビらない。
  • 万が一、上手く購入できなければ窓口に並んで往復割引乗車券に換えて貰えば良い。

1つ目の心得が一番重要です。 操作では「出発駅はどこか?」と「最初に乗る駅はどこか?」という2つの質問に答えるところがあります。 これはどちらも「西明石」にしないと昇天です。 2つ目は不親切な表示により往復割引の適否が分からないので勇気が試されるという話です。 3つ目は万が一の時は再チャレンジが可能ということです。 ただ、その場合は「間違えまして、えへへ」と言うだけの交渉力と窓口が混んでいても対応できる時間的余裕が必要なことに注意ください。

自動券売機での往復割引乗車券の購入手順

自動券売機の操作画面その1

それでは手順です。 最初の「切符の種類をお選びください」の画面では「乗車券のみ」を選びます。 乗車券の購入後、必要に応じて指定席(特急券)を買っても良いでしょう。 やったことはないのですが、指定席と往復割引乗車券は同時に購入できるとは思います。 ただし、指定席料金も西明石〜東京間でかかるでしょうから、お得感が薄れてしまうはずです。

自動券売機の操作画面その2

次の画面では「主に新幹線のみ利用」を選びます。 単に新幹線で新神戸駅と東京駅を往復する切符の場合はこちらです。 在来線を乗り継ぐ場合、どうするのが良いかはちょっと分かりません。

自動券売機の操作画面その3

ここからが本番です。 「乗車券の出発駅をお選びください」の画面では「西明石」を選びます。 区間の起点となる駅を選ぶイメージなので、ここは素直に「西明石」を選んで違和感はないはずです。

自動券売機の操作画面その4

この右の画像の画面が最大の難所です。 「最初に新幹線にお乗りになる駅をお選びください」の画面では再び「西明石」を選びます。 ここで「新神戸」を選んでしまうと「申し訳ありませんが、窓口の係員にお尋ねください」というメッセージが出て操作を強制的に終了させられてしまいます。 新神戸駅から乗車するのですが、素直に「新神戸」を選んではいけません。

自動券売機の操作画面その5

ここからは楽勝です。 「最初の列車をお降りになる駅をお選びください」の画面では「東京」を選びます。 品川で降りる場合、「品川」を選んでも東急区内で同じ扱いとなって往復割引が適用になるので構いません。 何故か「新神戸」が青色になっていますが、気にしてはいけません。

自動券売機の操作画面その6

この画面では下車する駅を選びます。 東京駅で降りるので「東京駅で下車する」を選びます。 東京駅から千葉方面に行く場合は「普通列車にのりかえ」などを選ぶのでしょう。 ただし、ここでも乗り継ぎについては考慮外とします。

自動券売機の操作画面その7

「ご希望の経路をお選びください」の画面は確認画面です。 「西明石→東京」となっていることを確認して、「この経路の乗車券を購入する」を選択します。

自動券売機の操作画面その8

「乗車券の種類をお選びください」の画面では「往復」を選びます。 ここでやっと往復の文言がでてきました。 ここで「往復」を選択し、前までの画面で正しい条件が揃っていると往復割引乗車券が発券されます。

自動券売機の操作画面その9

最後の確認画面です。 「選択した区間」が「西明石→東京(往復)」となっていれば大丈夫です。 勇気を振り絞って「確認」をポチっとします。 しかし、この画面にまで来ても「往復」という語句はあっても「往復割引」という語句がないのは不親切です。

往復割引乗車券の画像

ドキドキの発券結果です。 切符に「復割」と印字されていれば成功です。 料金は片方の切符に印字されているので、ここで確認できます。 乗車券は繁忙期や閑散期による料金の増減はないので、想定通りなら「16,820円」と印字されています。

これで手順は終了です。 一度やって上手く行けば憶えるでしょう。 もう窓口に並ぶ必要はありません。

自動券売機の問題点

自動券売機の操作画面その3

ここからは個人的な考察です。 手順の紹介とは直接関係ないので興味のない方は読み飛ばしてください。

左は問題の画面です。 普通の流れではここで「新神戸」を選んでしまうはずです。 前の画面で「出発駅」を選んでいるのに、この画面で同様のことを聞かれる意図がよく分かりません。 恐らくですが、ここは在来線からの乗り継ぎに対応する画面になるのだと思います。

JR在来線との接続がない新神戸駅は特殊で、普通の新幹線の駅では在来線と接続しています。 乗車券は乗車区間の営業キロを土台に計算されるので、在来線を含んだ乗車券が欲しい場合は在来線の区間と新幹線の区間を分けて計算する必要があります。 なぜなら、大阪駅から東京駅まで行くとすると、在来線と新幹線では営業キロ(線路の長さ)が違ってくるからです。

それを踏まえて考えると合点がいきます。 前の画面をよく見ると「出発する駅はどこか?」と聞いていて、在来線か新幹線かは聞いていません。 質問の真意を読み替えると、前の画面では「最初にJRを利用する駅はどこか?」を聞いている訳です。 そして次の画面は「最初に新幹線に乗る駅はどこか?」を聞いています。 従って、この2つの質問で在来線区間と新幹線区間を見分けようとしているようです。 そして、システム的にもここが難所となるのは新神戸駅には在来線の接続がないためです。 初めてJRを利用する出発駅が「西明石」、新幹線の乗車駅が「新神戸」と選択されるとシステムは在来線区間が「西明石〜新神戸間」と考える訳です。 しかしながら、そんな区間(路線)は存在しないので、仕方なく「係員に聞け」と昇天する処理にしているのでしょう。

ここは新神戸駅を利用する神戸市民の生産性に関わる重要なところだと考えています。 新神戸駅では何台も設置されている自動券売機はガラガラなのに窓口には長蛇の列ができているのをよく見かけます。 列に並んでいるのが機械操作に不慣れなお年寄りならともかく、若いお姉ちゃんから現役のサラリーマンまで並んでいます。 電車の中でスマホを触りまくっているお姉ちゃんや会社でパソコンを触らないと仕事ができないリーマン達が自動券売機程度の機械を扱えない訳はありません。 ということから、私は自動券売機が悪いのだと思っています。 つまりは分かり難いのです。

先程の画面も「出発する駅はどこか?」ではなくて「在来線区間を選んでください」という画面でも作って、「在来線は使いません(だって私は新神戸駅だから。うふふ)」という選択肢を作れば良いのです。 または画面の隅っこに「在来線区間判定中」とでも出力させておけば良いのです。 ユーザー・インターフェースのセオリーとして「(誰でも理解できるように)質問は簡単に」や「(利用者を待たせないように)画面数は少なく」といったことはあるでしょう。 でも、それに従った結果、質問が簡単過ぎて何を聞かれているのか分からなかったり、その画面の操作の結果がどうなるのか読めなかったりして利用者にとって分かり難い操作になってしまえば本末転倒です。

自動券売機のシステム開発者に新神戸駅の窓口の列を見て欲しいです。 そして、並んでいる人の中からお年寄り以外の10人ほどに「何故、自動券売機を使わないのですか?」と質問してみて欲しいです。 少なくとも2人(2割)は「自動券売機だと往復割引乗車券を買えないから」と答えるはずです。

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2012年11月23日 新規作成