ServeRAID M5015(MegaRAID 9260-8i)を購入
作成日: 2012年3月31日
更新日: (なし)
海外サイトでServeRAID M5015を購入
念願のハードウェアRAIDアダプターを購入しました。 RAID5のパリティー計算をハードウェアでやってくれて、SATAのHDDを6本以上接続できるアダプターを探していました。 購入したのはIBMのServeRAID M5015で、このアダプターはLSI LogicのMegaRAID SAS 9260-8iのOEM製品です。 本来、ServeRAID M5015はコンシューマー向けの製品ではなくてIBMのエンタープライズ向けのサーバー製品のオプション・パーツなのですが、HasuRさんのブログ記事を見てこの製品が選択肢に挙がりました。 記事ではServeRAID M1015をパソコンに取り付けていたので、姉妹パーツのServeRAID M5015も自作パソコンで使えると考えたのでした(実際、使えました)。
今は円高なので海外サイトを含めて色々なRAIDアダプターを物色した結果、アメリカ・ダイレクト(Buy.com)という楽天のグループ会社の海外サイトで購入しました。
商品が33,027円に海外発送の送料が1,050円で、合わせても34,077円でした。 円高万歳です。 アメリカ・ダイレクトでの注文は楽勝で、全て日本語で手続きできて戸惑うことはありませんでした。 日本国内でMegaRAID 9260-8iを探しても5万円を切ることはなかったので、OEM製品の選択と海外サイト(円高)の利用で大変良い買い物ができました。
商品は代金引換で送られてきました。 海外からの発送でしたが、注文から9日で自宅へ届きました。 感覚的にもっとかかるものだと考えていたので嬉しい誤算でした。 運送業者はアメリカから日本まではUPS、日本到着後は佐川急便という分担でした。 荷物の現在位置が分かるトラッキング・サービスも提供されていて、それを見るとアメリカと日本間は航空便でした。 梱包は丁寧な訳でもなく乱暴な訳でもなく、普通でした。
「IBM Options」と書かれたシールが貼られていた箱の中身です。 右下のラミネート・パッケージがアダプター本体で、HDD接続用のケーブルは付属していません。 アダプターとは別にSFF-8087 to 4x SATAケーブル(フォワード)を購入しました。
左下の黄色いシールが貼ってあるパッケージにはキャッシュ保護用のバッテリーが入っていました。 アダプターに装着し、停電時にアダプターのキャッシュ(512MB)が消えてしまうのを防ぐ役割を持っています。 開封した時はバッテリーをアダプターに固定するネジが見つからなくてバッテリーの装着を諦めかけました。 しかし、よく見るととても小さな袋に入ってへばり付いていました。
セットアップ
私の自作パソコンはWindows 7の64bit版です。 事前に何もせずServeRAID M5015をそのままPCI Expressスロットへ装着してWindowsを起動したら「LSI MegaRAID SAS Adapter」と認識されました。
デバイス・ドライバーは新しいものが良いので、最新のドライバーを導入すると「ServeRAID M5015 SAS/SATA Controller」と認識されました。
IBMのサイトではWindows 7用のデバイス・ドライバーが提供されていませんでした。 Windows 2008 64bit版のドライバーを試してみても良かったのですが、LSIのサイトではMegaRAID SAS 9260-8iのWindows 7 64bit版のドライバーが提供されていたのでLSIのものを使いました。 バージョン5.2.112のドライバーを使ってエラーなく更新できました。
その前にかなりビビったのが付属の説明書に書いてあった注意書きです。 ServeRAID M5015はPCI Express x8のカードなので、x8かx16のスロットに挿さないと機能しないだろうと書いてあります。 結果としてはx4のスロットに挿してもエラーなく動作しています。 ただし、バスがボトルネックになればServeRAID M5015の最大I/O性能が出ないことは確かです。
セットアップで上手く行かなかったのがMSM(MegaRAID Storage Manager)のインストールです。 インストール時に左のエラーが表示され、MSMを起動してもアダプターの管理画面を開くことができません。 アン・インストールを実行しても同じエラーが出てアン・インストールできません。 まだ未解決なのですが、ダメ元でインストールしようとした最新のMSMに合わせてServeRAID M5015のFiremwareも最新のものに更新してみようと考えています。
ベンチマーク
ベンチマークはServeRAID M5015にする前とした後のものを取りました。 ServeRAID M5015にする前はマザーボードのチップセット(Intel P55)に付いているIntelのRST(Rapid Storage Technology)を使っていました。 こちらもRAID5でしたが、ソフトウェアRAIDになるので書き込み性能が出なくて不満でした。
まずはそのRSTのベンチマークです。 左の画像と右の画像の違いはATTO Disk Benchmarkの「Queue Depth」の値が「4」か「10」かだけです。 他の値はデフォルトです。
- M/B ・・・ ASUS P7P55D-E
- CPU ・・・ Intel Core i7 875K
- HDD ・・・ HGST HDS721010CLA332(7200rpm 3Gbps 1TB SATA) x5
- RAID Controller ・・・ Intel Rapid Storage Technology(Intel P55 Chipset)
次が本命のServeRAID M5015のベンチマークです。 ATTO Disk Benchmarkの設定値は同じですが、HDDの本数が1本多くなって6本になっています。 今回の変更でホットスペアにしていたHDDをRAID Arrayの中に組み込みました。
- M/B ・・・ ASUS P7P55D-E
- CPU ・・・ Intel Core i7 875K
- HDD ・・・ HGST HDS721010CLA332(7200rpm 3Gbps 1TB SATA) x6
- RAID Controller ・・・ IBM ServeRAID M5015(LSI Logic MegaRAID SAS 9260-8i)
両者を比べると、読み込み性能はあまり変わっていません。 読み込みではRSTの方が全般的に善戦しているくらいです。 ソフトウェアRAIDでもパリティー計算を伴わない読み込み処理ではハードウェアRAIDと同等の性能が出る(書き込み処理に弱い)ことがよく分かります。
RSTでは不満だった書き込み性能はServeRAID M5015でかなり改善されました。 ざっと見て約3倍ほど性能が向上しています。 RSTでは150MB/秒あたりが性能限界でしたが、ServeRAID M5015では450MB/秒まで到達しています。 HDDの単体書き込み性能を80MB/秒として6本を単純計算すると480MB/秒なので、そんなものかなと思っています。 ServeRAID M5015は512MBのキャッシュ搭載なのでその効果もあるのでしょう。
最後にですが、RSTからServeRAID M5015に変えてそれなりの結果がありました。 ベンチマークではHDDの単体性能からは得ることができない値が出ているので、普通のパソコンより快適に動いているはずです。 しかし、体感速度は期待したほど劇的に変わったように感じませんでした。 いい加減なものです。
更新履歴
更新日 | 更新内容 |
2012年3月31日 | 新規作成 |